2013年12月27日金曜日

Snapchatを3分で解説!Snapchatは何がすごいのか?4000億円の買収を蹴った23歳CEOスピーゲルはこうマネタイズする



今回は、米国を中心に話題沸騰中のアプリ、Snapchatについて取り上げます。

おじさんの世代には理解し難いですが、ティーンエイジャーの間では確実に流行っている今もっとも注目すべきアプリのひとつです。


Snapchatとは



Snapchatは、写真やショートムービーを送信し合うコミュニケーションアプリで、送られた写真は相手が1度閲覧したら自動的に削除されるシステムになっています。写真には文字を追加できる上にお絵かきも可能で、使ってみるとこれが結構楽しいのです。※使ってみた系の記事はこちら

米国を中心にティーンエイジャーにめちゃくちゃ刺さっており、Business Insiderにると、2013年の12月時点で、ダウンロード数約6000万、月間アクティブユーザー約3000万人、そのうちの55%が毎日使っているため、デイリーアクティブユーザーは約1650万人だというから驚きです。(※公式な数字は非公開)


1日に4億枚以上の写真がSnapchatでシェアされており、これはFacebookの3.5億枚を超える数字なのだとか。ユーザーは主に中高生で、70%近くが女性。共有を比率でみると、49%がSC、43%がFBになります。(Business Insiderより)


Snapchatの魅力


(RantLifestyleより)

Snapchatの魅力は、メッセンジャーアプリやTwitterのように、過去の記録が5年や10年後も残らないことです。Snapchatで送信された1〜10秒の情報は1度閲覧されたら消滅するため、言い方によればよりリアルに近いコミュニケーションの形なのかもしれません。(対面での会話の内容が数年後も記録として残らないのと同じで)

確かに、当時好きだった異性を口説く過程の甘酸っぱいメッセージが、いつまでも残ってしまうのはクールじゃないですよね…。

加えて、画像or動画ベースの情報媒体というのも魅力(女子はお絵かき機能でデコるのも好きそう)。異性とのコミュニケーションや、ネタ系メッセージの送信などに相性が良さそうです。もし自分が中高生だったら今以上にSnapchatにハマっていたイメージが持てます。


また、そんなSnapchatを生み出した23歳CEOのEvan Spiegelは、Facebookからの約3000億円の買収、Googleからの約4000億円の買収提案を蹴ったとの噂もあります。設立から2年半年で会社を3000億〜4000億円の評価額にしたのはすごい。


 4000億円のオファーを蹴った23歳のスピーゲルとは


(freshINFOSより)

スピーゲルは、1990年6月生まれの現在23歳。スタンフォード在学中の2011年春に、「Picaboo」というSexting(性的な写真やテキストを送受信する行為)に特化したアプリを、Bobby Murphy、Reggie Brownらと共に開発、これがその後のSnapchatになります。(※ブラウンは2011年8月に追放)

2011年夏の終わり時点で、友人の周りでひそかに使用されだし、ユーザー数は100人程度。2011年秋、Snapchatに名称変更。また、この時期にユーザー数3000人を突破します。続く、2012年初頭にユーザー数3万人突破。そして、2012年3月$485,000のシードマネーを獲得 。その後、2012年12月、SV AngelやBenchmarkから約12.5億円を調達。2013年6月に約60億円、2013年12月に約50億円とコンスタントに資金を調達してきました。

設立2年半の会社が4000億円の評価額で売却というのはこの上なく良い条件です。この条件を断った理由として、①バイアウトするにしても更に評価額を上げる(マネタイズは見えないが更にユーザー数を伸ばす)自信がある、②マネタイズの方法が見えており、IPOを狙う自信がある、のどちらかが考えられます。


 Snapchatの収益化と今後



仮にSnapchatがマネタイズするとしたら、以下のような方法が考えられます。

①、企業アカウント課金
LINEの企業アカウント同様、企業が公式のアカウントを所有し、それをファンのユーザーがフォローする形式。企業は、ユーザーに対してショートCMやクーポン(シリアルナンバー付きの画像を送り、スクショを撮ってもらう形)を発行するなどの目的でアカウントを利用できます。実際に米ファーストフードチェーンのタコベルが既にアカウントを作成してプロモーションに活用しているみたいです。(※まだ公式アカウントとして課金はされていない)

②、ユーザー課金
Snapchatが保有している「イケナイ」情報はサービスの肝ですし、めちゃくちゃ価値のある情報です。このサービスが「Picaboo」というSextingのアプリとしてはじまったように、依然Snapchatでもグレーな情報がやりとりされています。また、そこまでディープなものでなくても、好きな異性が少しでも写っている写真は、もう一度見たいものです。

そういった欲求を満たすべく、プレミアム会員は1日3枚まで再閲覧でき、スクショも内緒で1日数枚取れる(通常はスクショを取ると相手が分かるように設定されている)、もしくは1回再閲覧するor内緒でスクショをする毎に数十円課金なども十分考えられるのではないでしょうか。好きな異性のためなら中高生であっても数百円くらい払いそうです。(※ただ、過度のリプレイ、スクショを許す行為は、ユーザーが写真をシェアしにくくなるという難点もあるので、その辺のさじ加減は重要)

このモデルはmixiの足あと機能に近い感じですかね。好きな子のページは何度も見たいけど、たくさん訪問するとバレて気持ち悪いので、月10回までなら足あと(訪問履歴)を消去できる。ただし、それ以上消したかったらプレミアム会員になる必要があるというモデル。

他にも、王道でフィルターやスタンプなどもありそうですね。

また、最近のアップデートで追加された、1日1度だけ送信された写真をリプレイ(再閲覧)できる機能がとても興味深いです。これにより、過度なSextingやいじめ系投稿の抑止になる上、ユーザーのアクティブ率を高める効果もありそうです。一方で、リプレイの需要を測定しマネタイズの可能性を模索しているようにも思います。やはりこういう課金モデルでいくのではないかなー。

TechCrunch Disrupt SF 2013に登壇したスピーゲルは、いわゆるソーシャルメディア的なフィード機能に感心があること、まだ直接の競合はいないこと、将来しっかりマネタイズはしていく趣旨(具体的な方法は不明)、収益化では中国のテンセント(WeChatなどを開発)を見習っていることなどに言及しました。(上記動画参照)

まだ可能性が未知数なSnapchat。今後の展開に注目です。

 

【参照元】
The Truth About Snapchat's Active Users
The Snapchat Lawsuit, Or How To Lose Your Best Friend Over $70 Million
CrunchBase